痴漢事件について

コラム・解決事例

COLUMN / CASE

2024.02.01

刑事弁護・少年事件

弁護士のトラブル解決コラム 痴漢で逮捕された場合に不起訴・執行猶予を獲得する方法

痴漢事件で逮捕されてしまった場合、可能な限り早く弁護士に相談することが重要です。
身に覚えがない場合は断固として戦うべきですし、過ちを犯してしまったのであれば早期に被害者と示談をする必要があります。
このコラムでは、痴漢事件の流れや弁護士に依頼するメリット、示談金の相場等を解説したうえで、不起訴・執行猶予を獲得する方法についてご紹介いたします。

1 そもそも痴漢はなんの犯罪?

実は、痴漢罪という痴漢行為のみにフォーカスした法律はありません。
痴漢で処罰される場合、迷惑防止条例違反または強制わいせつ罪のいずれかが処罰の根拠法令となります。

迷惑防止条例は各都道府県ごとに制定されています。「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」などと呼称されることが多く、大阪府と兵庫県もこのような名称の条例が制定されています。

迷惑防止条例違反の痴漢の刑罰は6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
常習性が認められた場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に刑が重くなります。

強制わいせつ罪の場合、6ヵ月以上10年以下の懲役となります。

強制わいせつ罪の場合、罰金刑が定められていません。そのため、有罪判決となり執行猶予もつかなければ懲役刑となり刑務所に収監されることになります。

2 痴漢事件の刑罰の相場は?

迷惑防止条例違反の場合、初犯であれば公開の法廷での正式な刑事裁判を経ることなく、
裁判官の書面審理のみで手続きが終わる略式裁判とされることが多いです。
その場合、刑罰として懲役刑が科せられることはなく、罰金刑に処せられることになります。

初犯の罰金額は20~30万程度となることがほとんどです。

もっとも、初犯でない場合は罰金額も高額になりますし、痴漢の態様が悪質であれば初犯であっても懲役刑が科せられる可能性はあります。
他方で、被害者と示談が成立していれば不起訴処分となり、前科がつかずに済むことも珍しくありません。仮に刑事裁判で懲役刑が言い渡されても、示談をしていれば執行猶予となる可能性が高くなります。その意味で、痴漢事件では示談が成立しているか否かは極めて重要になります。

3 痴漢事件で示談をする方法は?

痴漢事件において、加害者は刑事責任を問われる立場にあるだけでなく、被害者から民事上の責任を問われる立場でもあります。
示談とは、この民事責任について当事者間で話し合い、加害者から被害者に被害金や慰謝料等の賠償金を支払う代わりに、被害者からの許しを得ることをいいます。

示談の成立は民事責任について当事者間で解決したに過ぎません。そのため、示談が成立していたとしても起訴されたり、有罪判決を受けたりすることはあります。強盗や強姦といった重大事件ほどその傾向は高くなります。
もっとも、示談が成立していることは刑事処分を決めるうえで重要な考慮要素でもあります。
痴漢事件では、示談が成立していれば不起訴となることも十分にあり得るため、痴漢事件の加害者となってしまった場合、まずは示談の成立を目指すことになります。

示談金の相場は、迷惑防止条例違反の場合で20~40万円、強制わいせつ罪の場合で50~100万円程度と言われています。被害者が未成年の場合や、痴漢の態様が悪質な場合はより高額な示談金が必要となります。また、示談の成立はあくまでも被害者の納得と許しが前提となります。相場を踏まえつつ余裕をもった金額をご準備いただいた方がいいでしょう。

示談を成功させるためには、被害者の意思や感情に配慮した対応をすることが重要です。
対応を誤ると、示談が失敗に終わるだけでなく処罰感情が高まり、刑事処分が重くなる可能性すらあります。
痴漢事件で示談を成功させることを希望するのであれば、まずは専門家である弁護士にご相談ください。弁護士に依頼することで、弁護士が被害者との間で信頼関係を築き、適切な条件で示談することが期待できます。

4 示談交渉を弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼することで、被害者との間で早期に適切な内容の示談を成立させることが期待できます。それは弁護士に依頼することで以下のようなメリットがあるからです。

  • 被害者と連絡を取ることができる
  • 被害者との間で冷静な話し合いを行うことが期待できる
  • 妥当かつ適切な内容で示談することが期待できる
  • 示談したことを刑事手続のなかで効果的に反映できる

まず、そもそも加害者単独では被害者と連絡を取ることができません。被害者の連絡先を知るためには、警察や検察といった捜査機関を通じて被害者に許可を得て教えてもらうことが一般的です。そのため、加害者が連絡先を知ろうとしても、捜査機関から拒否されてしまいます。

また、性犯罪という性質上、加害者自らが被害者と話し合いの場をもとうとしても、冷静な話し合いを行うことはまず期待できません。強引に示談を進めると脅迫や証拠隠滅と捉えられるリスクもあり、事態の悪化を招きかねません。

弁護士に依頼することで、被害者の連絡先を捜査機関から入手し、被害者との間で示談に向けた話し合いを行うことができます。示談交渉の際も、専門的な知見に基づき妥当かつ適切な条件を提示することができます。そして、示談が成功した後は、示談の成果を刑事手続に効果的に反映させ、不起訴処分や刑の減軽、執行猶予の獲得のための働きかけを行ってもらうことができます。

5 痴漢事件の弁護士費用

刑事事件を解決するまでには、示談活動・接見・拘留延長阻止・保釈請求といった多岐にわたる活動を要します。
当事務所では、これら活動ごとに追加費用を発生させることはしておりません。
これら活動は刑事弁護士に必要不可欠なものであり、これらを欠いては適切な弁護活動はできないと考えるからです。
そのため、当事務所では刑事弁護フルサポートを標準プランとしています。

初 回 相 談 料 無 料

項目 着手金(税込) 報酬金(税込)
起訴前刑事弁護 33万円 33万円
起訴後刑事弁護 55万円 55万円

※接見回数は起訴前4回、起訴後4回を基準回数とし、基準回数を超えた場合は1回につき3.3万円(税込)の追加費用が発生いたします。
※共犯事件、被害者が複数いる事件、その他事案が複雑な事件については別途費用が発生する場合があります。

6 盗撮事件解決までのフロー

痴漢事件は上記図のようなフローを辿ります。
逮捕された場合、逮捕から起訴されるまで最長23日間の身体拘束を受けることになります。
多くの事件では起訴後も身体拘束が続き、判決まで数ヵ月にわたり身体拘束を受けることもあります。
これほど長期にわたり身体拘束を受けると、逮捕されたことを職場に秘密にしておくことは難しく、家庭環境にも悪影響が及びかねません。

繰り返しますが、痴漢事件は被害者との示談を成立させることが重要です。被害者と示談して罪を許してもらえれば、不起訴となり早期に日常生活を取り戻すことが可能です。

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