弁護士によるトラブル解決コラム 家族が逮捕されたときの対処法

コラム・解決事例

COLUMN / CASE

2024.06.01

刑事弁護・少年事件

弁護士によるトラブル解決コラム 家族が逮捕されたときの対処法

大切な家族が突然逮捕されてしまった場合、どのように対処すればいいでしょうか。
ほとんどの方は刑事事件に関わることも初めてでしょう。不安な気持ちを抱え、パニックになるのも当然です。
本コラムでは、刑事事件で家族が逮捕された場合の流れや、家族としてどのように対処していくべきかについて専門家である弁護士が解説します。

2 刑事事件の流れ

逮捕されると警察からの取調べを受けることになります。
そして、逮捕から48時間以内に警察は検察庁に事件を送ります。検察庁は事件送致から24時間以内に勾留請求(被疑者・被告人を刑事施設に拘禁することの許可を裁判所に求める手続き)をするかどうかを決めます。

少なくとも逮捕から3日間は身柄が解放されることはほとんどないと考えていいでしょう。
また、この3日間は弁護士以外の面会が制限されているケースが大半です。
たとえ家族であっても面会することはできません。

勾留期間は最大20日間です。この期間に検察官は事件を起訴するか不起訴にするかを決定します。
起訴とは検察官が裁判所に正式裁判による審判を求める手続きです。
多くの場合、起訴後は拘置所に身柄を移送され、そこで身体拘束を受けながら裁判期日を待つことになります。
起訴後の勾留に期間制限はありません。保釈されない限りは身体拘束を継続されてしまいます。
起訴から刑事裁判が開始されるまで約2ヵ月はかかります。
事件の種類によっては裁判が終わるまで年単位の時間がかかることもありますので、その不利益は大きなものがあります。

刑事事件解決までのフローチャート(※少年事件の場合は手続きが異なります。)

3 逮捕直後に家族ができること・すべきこと

刑事事件は初動対応が重要です。
残念ながら逮捕されてしまったという事態は変えられません。まずは落ち着いて必要なことを一つ一つ行っていきましょう。

① 警察に事実確認をする

多くの事案では、警察から逮捕者の家族等へ連絡がされます。
警察の内部規定で逮捕者の家族へ連絡する旨の決まりはありません。家族への連絡は、本人の希望や担当の警察官の判断によって行われています。
警察から連絡があった場合、以下の3点を必ず確認してください。

  • どこの警察署に留置されているか
  • いつ逮捕されたのか
  • 逮捕された容疑はなにか


これらは初動対応のため必須の情報になります。もっとも、どこまで教えてくれるかは事案の内容や担当の警察官の判断で異なります。可能な限り詳細に教えてもらうようにしてください。

② 弁護士に相談・接見の依頼をする

逮捕直後は家族であっても本人と面会することはできません。
また、面会できるようになったとしても、一般の方の面会は平日に1組だけと制限されており、面会した際も警察官立ち合いのもと約20分程度という条件がついています。

もっとも、弁護士であれば警察官の立ち合いなく自由に面会ができます。
面会する時間帯も面会時間も制限が課せられていないため、夜間や土日であっても面会可能です。

逮捕直後は本人が一番不安な状態にあります。社会から隔絶された環境で警察官から取調べを受けると、本人の意思と異なる方向に話が進んでしまうことも珍しくありません。そして、たとえ無実であったとしても罪を認めてその旨を記載した供述調書にサインをしてしまうと、それを覆すことは極めて困難です。

刑事事件は初動対応が極めて重要です。
弁護士による初回接見も、早ければ早いほど良い結果につながります。
可能な限り早期に弁護士にご相談ください。

③ 学校や職場に連絡する

逮捕されると本人が学校や職場に連絡することができなくなります。
多くの場合、逮捕はある日突然行われ、学校や職場に警察から連絡がされることもありません。
そのため、家族から事情を説明しておかなければ無断欠勤・無断欠席となってしまいます。

学校や職場にどこまで事情を話すかは悩ましい問題です。たとえ無実の罪であったとしても、逮捕されたというだけで退学や退職を求められる可能性があります。
専門家である弁護士と協議のうえ対応を決めることをお勧めいたします。

また、本人に無断で連絡をすることが不安な場合は、弁護士であれば本人と自由に面会ができますので、弁護士を通じて意向確認をしましょう。

④ 本人に面会する

勾留決定後、接見禁止命令により一般面会が制限されていなければ、本人との面会が可能になります。
家族との面会は本人にとって大きな力になります。また、面会に際して差し入れも可能です。
事前に弁護士を通じて差し入れてほしいものを確認しておけばスムーズでしょう。

何を差し入れればいいか分からないときは現金を差し入れるのが無難です。留置施設内は生活用品や食べ物の購入ができます。その他にも家族の写真やノート、書籍や雑誌、衣類などは喜ばれる傾向があります。

差入品には制限もあります。身体拘束を受けている施設によって制限の内容が異なりますので、その点も弁護士に事前に確認しておくといいでしょう。

4 早期に弁護士に依頼するメリット

メリット① 逮捕直後から弁護士によるサポートが受けられる

逮捕された方は、国選弁護制度を利用して国費で弁護士によるサポートを受けることができます。
もっとも、国選弁護制度によるサポートが開始されるのは勾留後です。

逮捕から勾留までの間をカバーする制度は当番弁護士制度しかなく、この制度は本人と接見してアドバイスこそしてくれますが、早期の身柄解放や被害者との示談には対応してくれません。

逮捕直後から弁護士に依頼することで、本人が最も不安な気持ちを抱え、最も弁護士による手厚いサポートを必要とする時期に、必要かつ適切なサポートを届けることができます。

メリット② 早期の身柄解放が期待できる

逮捕後、勾留するためには勾留の理由・必要性が認められなければなりません。
逆に言うと、これら条件を具備しない場合、勾留は認められるべきでありません。

弁護士に依頼することで、検察官に勾留請求を行わないよう働きかけたり、裁判所に勾留請求を却下するよう求めたりすることが可能になります。
また、勾留されてしまった場合も準抗告という不服申立て手続きを行うことが可能です。
勾留の回避は簡単ではありませんが、ご家族のサポートを受けながら適切な弁護活動を行えば決して不可能ではありません。

早期の身柄解放を実現できれば、学校や職場に逮捕の事実が発覚するリスクも低くなります。仕事を再開して収入を確保することもできるようになりますので、本人にとってもご家族にとっても大きなメリットとなります。

メリット③ 被害者と示談できる可能性が高まる

弁護士に依頼することで、被害者との間で早期に適切な内容の示談を成立させることが期待できます。それは弁護士に依頼することで以下のようなメリットがあるからです。

  • 被害者と連絡を取ることができる
  • 被害者との間で冷静な話し合いを行うことが期待できる
  • 妥当かつ適切な内容で示談することが期待できる
  • 示談したことを刑事手続のなかで効果的に反映できる


まず、そもそも被疑者本人やご家族では被害者と連絡を取ることができません。被害者の連絡先を知るためには、警察や検察といった捜査機関を通じて被害者に許可を得て教えてもらうことが一般的です。そのため、弁護士以外が連絡先を知ろうとしても、捜査機関から拒否されてしまいます。

弁護士に依頼することで、被害者の連絡先を捜査機関から入手し、被害者との間で示談に向けた話し合いを行うことができます。示談交渉の際も、専門的な知見に基づき妥当かつ適切な条件を提示することができます。そして、示談が成功した後は、示談の成果を刑事手続に効果的に反映させ、不起訴処分や刑の減軽、執行猶予の獲得のための働きかけを行ってもらうことができます。

メリット④ 不起訴となる可能性が高まる

日本の有罪率は99.9%といわれます。そのため、起訴されてしまうとほぼ確実に前科がついてしまいます。そこで、まずは検察官に不起訴処分を下してもらうよう働きかけることが重要です。

不起訴処分のためには、被害者の方と示談すること、更生に向けた家族による支援体制を整えること、本人による真摯な反省と更生計画の策定が重要です。
これら活動は検察官が起訴するか否かを決定するまでの間、逮捕されている場合は最長23日間という極めて限られた時間に行う必要があります。
そのため、可能な限り早期に弁護士に依頼することをお勧めします。

メリット⑤ 執行猶予・無罪獲得を目指した適切な弁護活動を受けられる

起訴されたとしても、執行猶予となり刑事施設に収容することを避けられる可能性はあります。
そして、その可能性は弁護士のサポートを受けることで高まります。
また、無実の罪で逮捕されてしまった場合、逮捕直後から最善の弁護活動を受ける必要があります。
前述したように、日本の有罪率は99.9%と極めて高い数値となっています。警察や検察は巨大な組織です。無罪を獲得することは簡単ではありません。
無罪獲得を目指す場合、逮捕直後から切れ目のないサポートを受けることは必須といえます。

5 刑事事件の弁護士費用

刑事事件を解決するまでには、示談活動・接見・拘留延長阻止・保釈請求といった多岐にわたる活動を要します。
当事務所では、これら活動ごとに追加費用を発生させることはしておりません。
これら活動は刑事弁護士に必要不可欠なものであり、これらを欠いては適切な弁護活動はできないと考えるからです。
そのため、当事務所では刑事弁護フルサポートを標準プランとしています。

初 回 相 談 料 無 料

項目 着手金(税込) 報酬金(税込)
起訴前刑事弁護 33万円 33万円
起訴後刑事弁護 55万円 55万円

※接見回数は起訴前4回、起訴後4回を基準回数とし、基準回数を超えた場合は1回につき3.3万円(税込)の追加費用が発生いたします。
※共犯事件、被害者が複数いる事件、その他事案が複雑な事件については別途費用が発生する場合があります。

6 最後に

刑事事件は人生に重大な影響を及ぼしますが、その過程や結果は迅速かつ適切な初動対応で大きく変わり得ます。
そして、最良の結果を得るためには、可能な限り早期に弁護士にご相談いただくことが極めて重要です。
かつら綜合法律事務所は初回相談無料、LINE予約・メール予約は24時間365日受け付けています。大切な家族との日常を1日でも早く取り戻すために、まずはご相談ください。