交通事故と弁護士費用特約
コラム・解決事例
COLUMN / CASE
2023.10.01
交通事故
弁護士のトラブル解決コラム これで解決!弁護士費用特約の活用方法
1 弁護士費用特約とは?
弁護士費用特約は、交通事故の際に使える保険の一種です。交通事故の被害者が、加害者との交渉や裁判等を弁護士に依頼した場合に、その費用を保険会社に負担してもらうことができます。
弁護士に依頼すると高額な費用がかかるのではないか?そのようなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかし。弁護士費用特約を活用することで、特約で定められた上限額(ほとんどの場合、上限額は300万円とされています。)まで保険で弁護士費用をまかなうことができます。そして、死亡事故や重度の後遺障害が残存してしまった場合を除き、限度額を超えるケースはほとんどありません。
弁護士費用特約に加入している交通事故被害者は自己負担なく弁護士のサポートを受けることができます。
また、弁護士費用特約を使っても保険の等級に影響することはなく、保険料が上がることもありません。安心して弁護士にご相談ください。
弁護士費用特約は、以下のとおり、契約者本人だけでなく家族等も使うことができます。
- 契約者本人
- 契約者の配偶者
- 同居している親族
- 別居している未婚の子
- 契約車の搭乗者
- 契約車の所有者
このように弁護士費用特約は、契約者本人に限定せず、広い範囲の方が利用可能です。また、利用できる場面は自動車の交通事故に限られていません。自転車や歩行者の交通事故、バスやタクシーに搭乗中の交通事故であっても利用することができます。
弁護士費用特約は自動車保険だけでなく、火災保険や医療保険といった保険に附帯している場合もあります。
弁護士費用特約の内容は保険会社によって異なります。詳細は保険会社の担当者にお問い合わせください。
2 弁護士費用特約を使って弁護士に依頼するメリット
① 費用倒れの心配をせずに弁護士に相談・依頼ができる
交通事故の被害が幸いにも軽微だった場合、加害者に請求することができる損害賠償額も少額に留まることになります。このような事案で弁護士費用特約がない場合、弁護士に依頼してもその弁護士費用で費用倒れとなってしまうことも十分に考えられます。
弁護士費用特約があれば、弁護士費用を保険でまかなうことができるため費用倒れとなる心配はありません。安心して弁護士に相談・依頼をすることができます。
② 保険会社の対応を弁護士に一任できる
弁護士に依頼をすることで、保険会社の対応を全面的に弁護士に委ねることができます。
特に、被害者に過失がない交通事故の場合、被害者側の保険会社が示談交渉を代行することが法律上許されておらず、自ら加害者側と交渉するほかありません。
弁護士であれば過失の有無にかかわらず被害者に代わって示談交渉を行うことができます。過失がない事案こそ、弁護士費用特約を確認して早期にご相談いただことをお勧めいたします。
③ 賠償金の増額が期待できる
弁護士に依頼することで、ご自身やご契約の保険会社で示談交渉を行う場合より高額の賠償金を獲得することが期待できます。
慰謝料の算定基準には、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準の3つの基準がありますが、弁護士であれば最も高額な裁判基準に基づき交渉することができるからです。
また、適正な賠償金を受け取るためには、通院の仕方や健康保険使用の要否といった注意すべき点が多数あります。弁護士に相談・依頼いただくことで、示談交渉を見据えた適切な助言を受けることができます。
3 弁護士費用特約を使って弁護士に依頼する流れ
ステップ1:弁護士費用特約の有無を確認する
まずはご契約している保険会社に連絡して、弁護士費用特約があることとをご確認ください。
ご家族が弁護士費用特約が附帯した保険に加入している場合や、火災保険や医療保険に附帯していることもあります。自動車保険に附帯していなくとも諦めずにご確認いただくことをお勧めいたします。
ステップ2:弁護士に相談・依頼する
弁護士費用特約を使う場合であっても、相談・依頼する弁護士はご自身で選ぶことができます。保険会社から弁護士を紹介されることもありますが、その弁護士に依頼しなければ弁護士費用特約を使えないわけではありませんのでご安心ください。
なお、弁護士にご相談いただく際は、加入している任意保険会社や担当者名、弁護士費用特約の有無といった情報をお伝えいただくとスムーズにご相談できます。
ステップ3:弁護士に依頼したことを保険会社へ連絡する
弁護士に相談・依頼をした後は、保険会社に連絡して弁護士費用特約を使用したい旨を伝えましょう。その際、依頼した弁護士の名前や連絡先等もお伝えください。
その後の手続は保険会社が弁護士に連絡を取って進めてくれます。ご自身は安心して治療等に専念してください。
4 まとめ
弁護士費用特約を使うことで、経済的な負担なく弁護士に相談・依頼することができます。
ご契約の保険に弁護士費用特約を付けていない場合、万が一に備えてご契約しておくことを強くお勧めします。交通事故は弁護士に相談・依頼するメリットが多い法分野になります。
交通事故に遭われた際は、まずは弁護士費用特約を確認し、可能な限り早期に弁護士にご相談ください。
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